こんなに楽しいことがあったのか・・・
留学するまで
単身赴任先での週末の余暇に「スペイン語講座」というのを見つけ通い始める。アルゼンチンの先生より「日本では少ないけど海外では年をとっても若い人たちと一緒に習い事をするのは普通のこと」と聞き、おぼろげながら自分もリタイア(退職)したらどこかの国へ留学に行きたいな、と夢を抱きラジオ講座、スペイン語講座などを続けてきた。
今回の留学、2ヶ月前より某社オンライン英会話でスペイン語のできそうな先生を探しスペイン語会話を頼んだり、いなかったときはさまざまな国の英会話で英語を学習した。
なぜスペイン留学.jp を選んだか
50歳台でリタイアすることができネットでスペイン語留学紹介を探し、「スペイン留学.jp」にたどりつき、カウンセリング訪問。どこも(他社)同じようなものだろうと思い、他社は検討せず。
私は田舎でのんびりと勉強したいという希望を伝えたところ、「Nerja(ネルハ)」というアンダルシア、マラガより東へ50キロの街にある学校を紹介していただき、4週間コースを申込み。その後、2週間は個人旅行を予定。
語学学校について(授業、アクティビティなど)
9:00-10:45 1限目
10:45-11:10 休憩 パティオ(中庭)でおのおのお茶、おやつなどをしながらおしゃべり。
11:10-12:55 2限目
事前テストと初日面談でB1クラスに。
1ヶ月の間、クラスにも学校にも日本人は私だけ。3万人くらいの小さな街(避暑地)で日本人を見かけることもなし。
クラスは10人までで最初は7人でスタート。毎週金曜日に卒業していく人、月曜日に新しく入ってくる人で構成され、ほとんどが欧州各国からで、とりわけスイスが多かった。年齢は18歳から70数歳まで。まさしく老若男女が一堂に会し、同じテーマで話し合ったり、いっしょに笑ったり。こんな光景は日本には無いな、と深く感銘する。特に年配者が若人に負けず、がんばる姿には感心。
昔より日本は「極東」と表現され、私は地図でも一番右端に載っている国から来た生徒だったので、みな興味があるようで珍しがられたような気がする。
17~18時ころ、アクティビティに参加。開始時間は日によって違う。偉人、芸術、歴史のレクチャー、街の散歩。カフェで他クラスの方々との交流など。これは授業とは違う意味で楽しい。
休憩時間、私は授業についていくのが必死なためよく一人で教室に残ることが多かったが、同じく残っている生徒と話をしたり、クラスメートが気にかけてくれた。18歳のAちゃんは「Eddy(私のこと),Ven!(おいで)」と手招きしてパティオの自分の仲間のところに呼んでくれたり、Aさん、Eさんは夕食やプールパーティに誘ってくれた。
4週目の金曜日、最後の授業が終り、1ヶ月一緒に勉強しいつも近くで助けてくれた18歳のN君、AちゃんとAさん、Eさんへ前の日の夜に作ったお礼の手紙を渡したところ、半泣きでハグしに歩み寄ってくれた。気持ちが伝わったようでこちらもとてもうれしく、涙が出そうになった。今回、一番印象に残る場面となる。
*文末に書いた漢字のサインにも驚いていた(笑)。Aさんはどういう意味か、「おじいさんに見せてもいいか?」と尋ねてきた。漢字に驚いたのだろう。
宿泊先について
自炊などは自信がないためホームステイを希望。 結果、旅行で不足がちになりやすい野菜もしっかりと摂れたので満足した。 パーティーに招かれた際、何を持っていったらいいか見当がつかず、ホストに尋ねたところ地元のおいしいパン屋さんを紹介してくれ、何を買ったらいいかも(アンダルシアの銘菓)教えてくれた。 11年間、留学生を受け入れてきたが、私が初めての日本人だ、と。
留学先での生活について
私は朝型タイプにつき。5時ごろ起床。
予習、日記、週末予定の作成などをし、8時朝食、9時前に学校へ。徒歩で5分。
授業が終わった後はスーパーへ立ち寄り、帰宅。ホスト夫婦、他の生徒と4人で昼食。これが日本の夕食に相当。お話をしながらゆっくりと。
私はさっそく、その日に学校で習ったことや出来事を話し、復習を兼ねた会話練習に努める。
3週目に今までの生徒と入れ替わりで新しくオランダ人生徒が来る。彼女はスペイン語初心者のため、母国語の他は英語とドイツ語しかできず。彼女(英語)⇔私⇔ホスト(スペイン語)と通訳するなかなかめずらしく有意義な経験をした。
食後はシエスタ(昼寝)をし、起きてまた宿題など。夕方にアクティビティへ出かけ、帰宅後はまた、復習などをし、バルへ夕食をかねビールを飲みに出かけたり、家飲みですませたりしシャワー、就寝と。
週末はバスでグラナダ、セビリヤ、マラガなどへ泊りがけのミニ旅行に出かける。
美術館など有名な施設は入場制限があり、事前に入場券を購入しておく必要があり。グラナダの「アルハンブラ宮殿」は1か月先まで予約が埋まっており、見学できず。
これから留学される方へ
・イングリッシュネームを持っておくと呼びやすいようで、相手との距離感が近くなるような気がする。私は勤務時より豪州人のお客さんが命名してくれたEddyを使う。
自分の名前に近い音(私の場合)、好きなタレントなど適当につけてもいいとか。
・普段より、スペイン語で書かれた教材で勉強することもあってもいいかと。私はスペイン語で書かれた教材で学習するのは初めての経験だったが、問題を解く前に問題を読んで理解することにとても手こずる。慣れておいたらもっと、よかったと思った。
・年齢差は関係なし。遠慮なく話しかけていい。お互いノンネイティブなのでわかりにくいこともあるが、気にしない。みな、いろいろな国の人と話をしたがっている。
・旅行や街でわからないときはすぐに「Perdón・・・」と尋ねる。以前、メキシコに住んでいるときも感じたがキリスト教の人たちは人を助けることに喜びを感じている、ような気がする。
私はつい、すぐに日本人と比べてしまう。私たちはこんなにやさしく外国人に接してあげられているだろうか、と。
・おみやげに抹茶入りチョコレート菓子、わさび味柿の種、緑茶などを持って行った。クラスのほか、旅行やバルの隣の人、バルのCamarero(ウェイター)、サッカー観戦時の隣の人、ホテルの受付などに「日本のおみやげ」と言ってあげた。鉄道(Ave)に乗っているとき、隣の子供と母親に。ホテルの受付女性は「Riquisimo! Buenismo!」とスペイン流に大げさに喜んでくれた。
・旅行ではタクシーは一度も使わなかったが、Uberを3回使う。時間の節約になる。呼び出し時に料金が確定しているのでぼったくられる心配はない。あとは「Perdón」と近くの人に聞いてバスや地下鉄を利用。
・トイレがない。見つけても有料なので常に1ユーロコインは持っておいたほうがいい。あとはカフェでコーヒーなどを頼み、利用する。
・スペインは食べものがおいしい国なので食べすぎに要注意(笑)。
異文化国際交流がこんなに楽しいことかと還暦前に初めて知ることができ、もっと話せるようになれるよう勉強をがんばろう、と決意を新たにすることができた。