外国人観光客に一番人気の遺産のある街:コルドバ
スペインには多くの遺跡や歴史的建造物があります。スペインといえば、バルセロナのサグラダ・ファミリアやセゴビアの水道橋などが思い浮かぶ人は多いのではないでしょうか。文化や歴史を感じられる場所がたくさんあるのは魅力的ですね。
世界遺産に登録されている建物や地域も多く、2024年12月現在、スペインの世界遺産は50件あります。
たとえば、グラナダのアルハンブラ宮殿、トレドのアルカサル、セビリャの大聖堂などは有名で多くの人が訪れます。
世界遺産が4つある街
ある調査によると、外国人に最も好まれている街は、マドリードでもバルセロナでもなく、バレンシアでもグラナダでもありませんでした。その街は、スペイン南部のコルドバでした。
コルドバは世界で唯一4つの世界遺産を持つ街です。古くはローマ帝国やアラブによって支配され、レコンキスタでアラブから奪還された歴史を持つため、街にはかつてのローマやアラブの存在を感じさせる建物や場所が多く残っています。
コルドバの4つの世界遺産
- メスキータ
785年にイスラムの後ウマイヤ朝のアブド・アッラフマーン1世の命で建設され、以降、増改築が繰り返されました。1236年、レコンキスタによりコルドバが奪還されるとキリスト教の教会として使用されるようになり、その後キリスト教の大聖堂(カテドラル)が建設され、イスラム教のモスクの中にキリスト教の大聖堂が存在する珍しい建物になりました。大聖堂内部の500本を超える柱やアーチは圧巻の迫力です。 - 歴史地区
1984年に世界遺産に登録され、1994年には内容が拡張されました。歴史地区にはアルカサル、ローマ時代の橋や考古美術館、パティオ(中庭)のある白い壁の民家などが含まれます。 - パティ祭
パティオ祭りは2012年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。毎年5月上旬から中旬に行われるパティオの美しさを競うコンクールで、コンクールに参加しているパティオは期間中公開されるので多くの人が訪れます。上位のパティオには賞が贈られます。 - メディナ・アサーラ
コルドバ(世界遺産)の西7~8kmほどに位置する中世イスラム都市遺跡で、2018年に世界遺産に登録されました。「ザフラー宮殿」とも呼ばれます。「メディナ」はアラビア語で都市を意味し、「メディナ・アサーラ」は「輝く都市」を意味するそうです。
観光名所以外にも!
ローマやアラブ、キリスト教やイスラム教など、様々な文化や歴史が入り混じるコルドバ。
歴史的な観光名所も有名ですが、街の雰囲気そのものの魅力も溢れています。旧市街の白壁に彩られた家々や、細い石畳の通りを歩くだけで、地元の人々の暮らしを感じられます。特に「パティオ」と呼ばれる中庭文化は必見。春に開催される「パティオ祭り」が有名ですが、普段から多くの家庭が花やタイルで美しく装飾された中庭を公開しています。この風習は、人と人とのつながりを大切にするコルドバならではのものです。
また、地元の市場「メルカド・ビクトリア」では、新鮮な食材や地元料理を楽しむことができます。観光客向けではなく、地元の人々が普段利用する市場の活気は、その土地の暮らしを垣間見る貴重な体験です。さらに、コルドバは工芸品の街でもあります。特に銀細工や革製品は、職人の技が光る逸品ばかり。街中には小さな工房が点在しており、そこで職人たちが手作業で製作する姿を見ることができます。
最後に、コルドバの人々の穏やかで温かい人柄も魅力の一つ。カフェやバルで気軽に会話を楽しむ地元の人々と触れ合うことで、観光とは一味違ったスペインの生活文化を体験できる都市です。
ぜひスペイン留学期間中に訪れてみてくださいね!