スペインのチップ事情
スペインではチップは払う?払わない?
海外旅行や留学ではいろいろ日本と事情が違って気になることがあると思います。その1つがチップの支払いではないでしょうか?日本ではチップを払う習慣がないので戸惑いますよね。
スペイン語でチップは「propina」と言います。「pagar(またはdejar)propina」で「チップを払う(置く)」の意味になります。
スペインでもチップを払う習慣はありますが、サービスや食事に満足した時に感謝の気持ちとして払うものと考えられています。
北米のアメリカやカナダではレストランやバーではチップを払うのが普通で、飲食費の10〜15%を払うのが相場とされていますが、スペインではチップを払うのは義務ではありません。満足したらちょっとした額をチップとして置いておきますが、チップを払わない人もいます。
チップをめぐる事情
チップに関する論争は後を絶ちません。スペインではチップは義務ではないのですが、最近、スペインでもアメリカ流にチップを義務的に支払ってもらおうとするお店が出て来ているそうです。総額の5%から10%をチップとして要求するようです。チップのパーセントを選ばせるようにしたり、サービスに対する評価を絵文字で選ばせてそれに対応するパーセントのチップを払わせるなどのケースがあります。これに対し、消費者団体では「払わない人に罪悪感を感じさせようとするやり方だ」と指摘しています。
また、チップの支払いが減っていることを受けてチップを払おうというキャンペーンが行われた例もあります。チップが増えるのはレストランやバーにとって好ましいことではありますが、そこで働いている人(camarero, camarera)の給料を含めた労働条件の改善の方が先だという話もあります。
最近ではカードや電子的な支払い方法が増えたので、チップの支払いが減っているという調査結果もあります。
チップ支払いで注意したいこと
じゃあ、どうしたらいいの?という話になりますね。
払わなくてもいいけど、払うならどれくらい?が知りたいところだと思います。
まず頭に入れておきたいのは、
- スペインではチップは義務ではないので払わなくても良い
- サービスや食事に満足したら、総額の5%から10%のチップを払えばよい
の2点です。
現金で払う場合はお釣りの小銭を置く感じでチップを払う人もいますし、パーセントは厳格なものではありません。一般的に飲食の伝票にはサービス料として7%から10%の金額が含まれていることも知っておきましょう。
さらに、チップを含めた支払いの時に気をつけたいのは
- 支払い前に伝票をよく確認すること。注文と合っているかはもちろんのこと、レストランによっては伝票に「チップのお願い」などとして金額が上乗せされていることがありますが、その支払いは義務ではありません。
- カードで支払う場合、カード使用の手数料として金額が上乗せされていないか確認しましょう。カード支払いに対する手数料は、クレジットカードであれデビットカードであれ2014年から違法となっています。
- バルやカフェでは普通チップを支払う必要はありません。支払いの時にキリのいい金額にするために少額を多く支払うのはありです。
そして、「Gracias.(ありがとう)」の言葉は忘れずに!
いろいろな美味しいものを楽しんでください。
(マドリード州のチップ奨励動画です。)