スペインの公用語はいくつある?
スペイン語は1つじゃない?
スペインで話されている言葉はスペイン語です。
この場合のスペイン語は「カスティーリャ語(castellano)」で、スペイン全土の公用語です。
1978年に公布・施行されたスペイン憲法の第3条で公用語についての規定があります。
- 第1項:カスティーリャ語は国の公用語である。すべてのスペイン国民はこれを知る義務を有し、これを使用する権利を有する。
- 第2項:それ以外のスペイン言語も各自治州の条例に従って州内での公用語とする。
- 第3項:スペインにおける豊かで多様な言語表現は特別な村長と保護の対象としての文化資産である。
第2項には、「それ以外のスペイン言語」とあります。つまり、スペイン語として一般に知られているカスティーリャ語はスペイン全土の公用語ですが、唯一の公用語ではないのです。
他にもスペインで話されている言語があり、それらの言語はそれぞれの自治州では公用語となっているのです。
カスティーリャ語以外の言語が公用語となっている自治州でもカスティーリャ語は通じるので、今学んでいるスペイン語が通じないという心配はありません!
カスティーリャ語以外の公用語
では、カスティーリャ語以外の言語が公用語になっているのはどこなのか、知りたいですよね。
- カタルーニャ語 (catalán) :カタルーニャ州およびバレアレス諸島
- バレンシア語 (valenciano):バレンシア州
- バスク語 (euskera) :北部のグルメで有名なバスク州で話されています。
- ガリシア語 (gallego):北西部のガリシア州で話され、ポルトガル語に似ています。
これに加えて、カタルーニャ州のアラン谷で話されているアラン語 (aranés)は、2010年にカタルーニャ自治州議会によって法令が可決され、カタルーニャ州の公用語になりました。これにより、カタルーニャ州の公用語は、カスティーリャ語、カタルーニャ語、アラン語の3つになりました。
スペインの言語的多様性
ここまでにあげた言語以外にも、公用語としては認められていない言語や方言がスペインにはたくさんあります。
たとえば、北部のアストゥリアス地方で話されているアストゥリアス語(バブレ語)、ユネスコの無形文化財に指定されているカナリア諸島のゴメラ島の口笛言語などがあります。
さらに、カスティーリャ語でも地域によって少しずつ形が違っていて、多くの方言やバリエーションが存在します。
また、南部のセウタやメリリャではロマ語に由来するカロ語、ファラ語、アラビア語も話されています。
多くの国の人々が行き来してきたスペインの歴史を考えると、言語や文化が多様であることは不思議ではありませんね。
スペインに行かれたら、いろいろな言語を耳にするかもしれません。
今まで勉強してきたスペイン語とは違うかもしれませんが、そこに住んでいる人たちが使っている言語を知るチャンスです!ぜひ、楽しんでください!